例外なきパンデミック
新型感染症の大流行
2019年暮れから2020年にかけて、新型感染症が日本でも大流行しています。
今や、日本は世界で中国・韓国に次ぐ感染者数を出してしまい、水際対策は失敗に終わったと言われています。
今回は、今現在台湾で過ごしている僕が台湾の現状を詳しくお伝えしようと思います。
台湾の現状
現在、台湾での感染者数は267人(死亡者2人)。
日本の感染者数に比べると比較的落ち着いていると言えます。
また、日本では深刻なマスク不足が発生していますが、
台湾では2ヶ月前から政府によるマスクの販売管理が行われていて、全国民が均等にマスクを手に入れられるように、販売場所と購入者1人頭の購入数が決められています。
外に出ると9割以上の方がマスクをつけ、マスクの指定販売場所には毎日長者の列が発生します。
日本国内よりも一人一人・政府の危機意識が高かかったことが伺えます。
徹底的な先手必勝
今、世界で台湾の新型コロナ対策が成功していると評価されています。
では、なぜ台湾で感染が防げたのか、それは、台湾の置かれていた状況、国民性、そして政府の迅速すぎる対応の三つの要因があると思います。
1、台湾の置かれていた状況
昨今、台湾と中国の関係は非常に悪く、去年の夏以降、中国政府は中国から台湾への個人旅行を全面的に禁止していました。
流行し出した頃も中国からの観光客は少ない状況であり、
結果として、大勢の中国人が旅行に行く春節の時期(日本はこの頃に感染が広がりました)もあまり影響を受けずにすみました。
日本では、中国からの観光客を止められずに感染流行を防げなかったことを鑑みると、
中国からの流入を防げる状況にあったことはとても幸運でしたね。
2国民の危機意識の高さ
台湾では一月の時点でマスクが店頭から姿を消しました。
国民の多くが感染が拡大する前に「予防しておこう」という意識があったことの表れでしょう。
当時、台湾にいる僕へ日本の方から「台湾は大丈夫か」との連絡いただきましたが、
個人的には、その頃から日本の方が危ないと思っていました。
「日本は安全である」という慢心があっとように感じます。
台湾と日本の危機意識の違い、日本も学ぶべきところはあるでしょう。
3台湾政府の迅速な対応
台湾政府の対応の早さは、現在世界で注目されています。
マスクが平等に行き渡るように購入制限をかけたことはあまりにも有名ですが、
つい先日、台湾人以外の台湾への入境を原則禁止すると発表、
止むを得ず入国をすることになる人は二週間の自宅・専用施設での隔離が義務付けられています。
こういったところでも、先手先手の対応が国内外から評価されています。
感染は防げても‥
垣間見える経済への影響
しかし、先手をとる対応をしたとしても
経済へ与える影響は防げないところが歯がゆいところです。
今、僕がワーキングホリデーで世話になっている飲食店があるエリアは
林森北路という台湾でも有数の日本人が多いエリアにあります。
普段、林森北路には駐在員や日本人観光客で溢れかえっていますが、
現在では半分以下になったようです。
今月末で店を畳むホテルやバーもたくさんあるようで、
コロナによる経済への影響は一般人でもわかるくらいに顕著に表れています。
まあ、経済よりも人の命の方が大切なのは当然ですが、
病気一つでこれだけの影響がある、ヒトの非力さを感じます…
それでもめげない
それでも、日々台湾で暮らしてニュースや人々の様子を見てもそこまで悲壮感は伝わってきません。
やはり、早くから対策を施していたことが功を奏し、現在の日本のような自粛ムードは少なくとも僕の肌感覚では感じません。
学校や大学も先月から通常に戻っていますし、観光業やインバウンドを当てにしていたお店以外は致命傷は避けられています。
もちろん、台湾もこれから気が抜けない状況が続くのは当然のことですが、
とりあえず、路頭に迷う人が大勢出てくるといったことはなさそうです。
やはり、いざという時の国の対策は非常に重要ですね。
台湾から学ぶべきこと
確かに未経験だけれども
今回の日本政府の感染症対策はかなり批判を受けています。
僕自身、台湾からネット等で注視していましたが、台湾政府の対応と比べると、
やはり丁寧さ、重大さに欠けていたと思います。
春節の時期とパンデミックのタイミングが重なってしまう不運もありましたが、
もう少し日本全体が初めから危機感を持っていれば、結果的には経済へのダメージも軽症で済んだのではと思います。
ウイルスが少し話題になり始めた頃、日本からよく心配の連絡がきました。
しかし、その頃から個人的には「日本の方が危険」だと感じていました。
もちろん、経験のないパンデミックではありますが、
あまりにも日本からの危機感は感じられず、今回のような大事になったのは残念です。
冷静であることは大事ですし、きっと日本人の長所でもあると思います。
が、時には大げさに「備えあれば憂いなし」の精神を台湾から学ぶことも、日本人に必要だと思いました。
日本と台湾、またその他の国でパンデミックが収束すること、
また早く両国の行き来が正常に戻ることを祈っています。
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