では、前回の内容を踏まえて、今回は香港のことについて書いていきます。
台湾の話からは少しそれてしまいますが、関係ないことはないのでぜひ最後まで読んでください。
「香港人」という言葉
今や、台湾にも劣らず、日本人観光客から大人気となった「香港」。
試しに、「香港」と検索しようとすると「香港 観光」「香港 人気」「香港 格安」などの候補が続きます。
日本からだけでなく、台湾人からもその距離の近さも相まって、香港は人気の観光地です。
もちろん、台湾でも多くの香港人留学生と出会いました。
しかし、お恥ずかしい話、
留学するまでは、この「香港人」という言葉を、僕は日本で言うところの「関西人」とか「大阪人」みたいな自分の出身地方を表す言葉だと考えていました。
しかし、実際には違うようです。
2009年に行われた香港人自身の認識に関して問うアンケートでは、「(自分は)中国人である」と回答した香港人は2割のみにとどまり、「香港人である」「香港人であるが、中国人でもある」と香港人であることを優先した回答が6割以上という結果になりました。
日本の一都市で同じアンケートを取っても、「日本人である」という回答が2割ってことはないですよね。
つまり、香港人の方の「私は香港人である」という言葉には出身地方を表す以上の意味があると言えますよね。
しかし、香港はもちろんのことながら中国大陸にあり、私たち日本人も「中国の都市」であるという認識方が多いと思います。
しかし、その認識は正確ではありません。
香港という大都市
香港人のアイデンテティ
では、なぜ香港人は中国とは違うのか。
それは「自由」の度合いです。
中国ではありとあらゆるものが規制されています。(ネットや言論の自由はありません。)
また、歴史的にみても共産主義の国と言えます。
しかし、香港ではその規制が及んでないのです。
経済も自由であることを要因に今の今まで経済発展してきました。
そういったことが香港人が「香港人であることを強調する理由」なのです
中国であり中国でない
香港は第二次世界大戦後イギリスの統治下にありました。
その影響もあり、香港人は中華人民共和国による共産主義や社会主義による支配を望まず、
中国側もこれに対応する形で、「一国二制度」という制度を採用しました。
「一国二制度」とは、香港はイギリスから中国へ引き渡されるが香港では社会主義の統治を50年間猶予する、つまり、香港の一定の自由をしばらく認めるという制度です。
中国本土は社会主義的政策を進めるけども、香港は例外を認めるということです。
警察等の行政も中国と香港では違います。
香港には香港の独自の政府があり、香港独自の法律もあります。
この「一国二制度」という制度が、香港が中国であり中国でない理由です。
香港の抵抗
頻発する民主化デモ
前の段落で、「香港の政治制度は中国と違う」という風に書きましたが、
一筋縄では中国も自由にしてくれていません。
香港では政治に関する選挙は行われていますが、日本のように完全には独立していません。
中国共産党の影響を強く受けるシステムになっています。
そのため、過去にも香港ではそういった不満に対するデモが頻出しています。
今回だけでなく、2014年にも大規模なデモが行われています。
今回のデモの原因は??
今回のデモの要因は香港政府による
「容疑者引渡し条例」という法律の成立です。
この法律になぜ国民が反対しているのかというと、
この法律は、香港内にいる「中国で容疑者とされている人物」を中国政府に引き渡すことを可能にするものだからです。
それを可能にしてしまうと、香港にいる人々でも中国政府に睨まれると中国へ送還することができてしまいます。
もちろん、香港にいる人全員が対象になるので、日本人を含む外国人も対象になります。
世界中のジャーナリストや観光客まで、香港にいても中国へ送還することができてしまいます。
これでは、実質香港のあらゆる自由が制限されるのと同じことを意味します。
香港人にとっては黙ってはいられない法律なのです。
台湾人にとっても他人事ではない
台湾人にとっても今回の香港の状態は非常に心配なことです。
「香港の次は台湾が狙われる」という意識を強く持っています。
これから台湾へ移住しようとしている僕も非常に危惧しています。
自由でおおらかな国台湾、自由で煌びやかな香港がこれからも存在し続けて欲しいと願っています。
この記事を読んでくれた方にも、日本の近くで国や地域の自由を本気で守ろうとしている人々がいることを知って欲しいと思い、今回簡単にですが香港と台湾と中国の関係を紹介させていただきました。
香港と台湾の平穏を願っています。
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